この年の梅雨が長々と続いて、開催日の天候が危ぶまれるほどの大雨が福知山を襲っていましたが、23日からは青空が広がる天候に見舞われて、次は暑さを心配するほどの好天に恵まれました。また、昨年はコロナ禍蔓延の状況にて、仕方なく中止することになりましたが、今年はコロナ禍での屋外活動の対策に十分に慣れてきたこともあり、21名のエントリーと、3種目32演技によって熱戦が繰り広げられました。
競技はクラス1のシングル機部門から9名が出場して始まります。このクラスの飛行機は、エレベーターが固定されて、ラダーとエンコンで操縦するものと、エルロンとエンコンで操縦するものに志向が別れるようです。これは演技にロールがあるためでしょうが、結果として飛行機の調整と練習による成果が大きく結果に表れるようです。優勝は、ジェントルサンダーをサイズダウンした八塚さんが獲得。10クラスのパワーにバランスの取れた機体調整が飛行に現れていました。準優勝には、中條さんが飛ばしこんだジェントルサンダーでした。40-4サイクルエンジンのトルクとパワーをうまく使ったコントロールと機体の特性を研究した飛行が見られました。3位には芝山さんと、RCスクラッパー35が獲得。この機体は06クラスのRCスクラッパーを、35クラスに拡大して製作したものです。エンジンパワーを使ってループ演技などを有利にさせていたようです。
クラスUでは、12名が出場しました。この分野は、俗にラダー3ch機と言われるエレベーターを使った飛行機の演技ですが、飛行経路に線が見えるように見せることが難しい種目です。また演技の前後には水平飛行が見えなければなりません。そうした演技を行った選手が高得点を得たようです。優勝はジェントルサンダーの中條さん、準優勝にはカズマスキー設計のタウリーを自作した須原さん、3位にはオーソドックスに仕上げたムサシノプレーリーの松浦さんが獲得しました。
クラスVには10名が出場しました。1ラウンドの上位5名によるフライオフによって、その得点で順位を競い合います。この競技はFAI-1975年の演技を参考に固定されているので、選手も練習時間もあり慣れてきたのではないでしょうか。機体では電動パワーを組み合わせて上手く調整する方向や、本来の2サイクルパワーで雰囲気も大切に魅せる方向、4サイクルエンジンでトルクと騒音対策を加味した方向などに分かれるようでした。優勝は、マラブMKVにOS-65を組み合わせた中條さんが獲得、準優勝にブルーエンジェルWCを電動化した桑田さんが獲得、3位にキュラーレにOS-55を搭載した八塚さんが獲得しました。
昼休み時間を利用して、飛行場中央へ参加機を並べてのベストモデルコンテストも開催されました。これは参加者による投票で決めます。結果は、クラス1にベビーサンダーバードの桑田さん、クラスUにジェントルサンダーの中條さん、クラスVにツイスターの須原さんが獲得しました。皆さんおめでとうございます。
会場では製作技術や、飛行技術、機体情報などの談義も楽しんでいます。来年もより楽しい大会を目指して開催します。この時代を知らない方や、この時代に思い出がある方など、好きな機体を探して、製作や飛行練習を楽しみながら是非ご出場下さい。
(文・写真:KMAノスタルジック競技委員長 中村俊幸) |